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紀要2002 湯ノ山渓谷(広島県)の森林植生-岩峰と山腹斜面に発達するアカマツ群落とマツの枯死状況-

吉野由紀夫(東和科学株式会社)
井上尚子(広島市植物公園)湯ノ山渓谷(広島県)の森林植生
-岩峰と山腹斜面に発達するアカマツ群落とマツの枯死状況-

広島県佐伯郡湯来町の湯ノ山渓谷でアカマツ群落の植物社会学的な調査を行った。その結果、この地域の植生は16の群落に区分された。岩峰にはゲンカイツツジやダイセンミツバツツジなどを指標種とするアカマツ-ゲンカイツツジ群落が発達し、山腹斜面には、これらを欠くアマカツ-コバノミツバツツジ群落が発達していることが分かった。また、これらは地形に応じて種類組成が異なり、アカマツ-ゲンカイツツジ群落は2型8群、アカマツ-コバノミツバツツジ群落は5群に下位区分されることが分かった。豊原(1981)が沿岸型のアカマツ林を内陸型から区別する種として挙げているシャシャンボ、コシダ、クロキ、ナナメノキの4つの指標種のうちシャシャンボ、コシダの2種が確認され、これは本調査地では生育範囲が極めて限定されていることが分かった。調査地内のアカマツの枯死した個体数の割合は、全体の30%以下であった。

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