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ラン

地球上の被子植物の中でも一番新しく出現し、「最も進化した植物」とも呼ばれるランは、さまざまな環境に適応した非常に多様な姿形、生態を持っています。このため、園芸上の人気も高く、各地に愛好団体が存在するほどです。しかしながら、当園のシンボルマークであるサギソウをはじめ、多くのランが絶滅の危機にさらされています。

広島市植物公園では、ランの栽培・展示を通じてラン園芸の普及啓発を行うとともに、ラン科植物を絶滅から守るための保全活動に取り組んでいます。

当園の夏の風物詩、サギソウの展示

貴重なランの収集と保存

(公社)日本植物園協会は絶滅危惧植物の保全のための取り組みとして全国各地の植物園が関係機関と連携を取りながら保全を進める「植物多様性保全拠点園ネットワーク事業」を行っています。当園は、ラン科の植物を集中的に保全する「特定植物保全拠点園」としての役割を担っています。

ランの収集・保存施設

園内では野生種約1,500系統及び交配種800品種計10,000株を収集・保存しています。開花した株は、フクシア温室内の野生ランコーナーや大温室のラン展示コーナーにて展示を行っています。

フクシア温室内の野生ランコーナー
大温室のラン展示コーナー

当園が保有する野生ラン

プレウロタリス・テアグエイ
リパリス・ビリディフロラ
デンドロビウム・ティルシフロルム
リンコラエリア・ディグビヤナ
バルボフィルム・ロビイ
バルボフィルム・エバハルディティイ
セロジネ・ダイアナ
ハベナリア・メドゥーサ
エウロフィエラ・ロエンプレリアナ
エンシクリア・アラタ
デンドロビウム・ウシタエ
アングロア・ウニフロラ
カトレア・アウランティアカ
バルボフィルム・グッツラツム
バンドプシス・リッソキロイデス

当園が保有するラン交配種

ランは多くの優秀な品種が世に送り出されてきましたが、年月の経過により姿を消しつつあります。当園では、これらの往年の名花を多数保存しています。

当園作出のカトレヤ系交配種

当園の保有する豊富なコレクションを生かし、特にカトレヤ属とこれらの近縁属において、展示効果が高い優秀な交配種の作出を試みています。開花した株は大温室ラン展示コーナー等での展示に活用しています。

蘭花譜について

『蘭花譜』は、竹鶴政孝とともにニッカウヰスキーを創業したことでも知られる関西の有力実業家、加賀正太郎が、昭和21年に自費出版した、ランをモチーフにした計104枚からなる植物図譜で、植物木版画の傑作と言われています。描かれているランは実物が原寸大で描かれたもので、学名や交配記録などが詳細に示されており、美術的価値ならず学術的価値も高い植物画です。
当園が所蔵する『蘭花譜』は、ヒロシマフラワーカレッジを主宰していた谷川圭子氏から寄贈されたもので、その資料性や美術性を活かした「蘭花譜展」の開催などにより、ランに関する知識の普及啓発に役立てています。

カトレヤ・クロソ ‘オオヤマザキ’
これまでに行われた蘭花譜の展示会の様子

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