広島市と中国・重慶市は1986年に友好都市の提携を行い、これを記念して1986年と1996年の2度に渡って栽培菊の交換を行いました。
例年10月下旬に行うキク展で展示している菊は、その際に重慶市から寄贈された中国の菊で、当園で脈々と栽培、維持してきたものです。
中国と日本における菊の歴史
菊(園芸用の菊)は、中国で生まれ、奈良時代に日本に伝えられたものですが、今では日本の文化にすっかり溶け込んでいます。
両国の菊園芸は、異国との文化交流が盛んな時代(唐、室町時代)、そして大きな戦争がない平和な時代(宋、江戸時代)に園芸文化として個々に大きく発展しました。
中国菊の花形・花色
厚物や管物など日本の菊と同じ花形のもの以外に、花びらが渦巻き状になるものや反り返るものなど変化に富みます。花色は、日本で一般的なピンクや黄、白以外に、暗赤色や緑がかった色のもの、花の中心と外側で色が違うものなどがあります。
こういった特徴の違いは、両国の菊を観賞する時の基準の違い、すなわち、規定に沿って仕立てられた菊を整然と並べて観賞する日本に対し、中国では個々の品種の持ち味を楽しむという点に由来すると考えられています。