一年中花につつまれた空間を楽しめるベゴニア温室は当園を代表する温室のひとつです。開花調節のための冷暖房および電照設備により管理された温室内には約680種類、2,000株のさまざまなベゴニアを栽培しています。
大輪の花を咲かせる球根ベゴニアのほか、変異に富んだ葉を楽しむレックス・ベゴニアや家庭でも人気のある木立性ベゴニア、さまざまな野生種のコレクションなど、当園ならではのコレクションが揃っています。
当園作出のベゴニア
広島市植物公園では新品種の作出にも取り組んでいます。以下の3品種は当園が独自に育種したもので、2001年に農林水産省へ品種登録出願し、2002年に公表されました。公立の植物園による農林水産省への品種登録は日本で初めてでした。これらは現在、ベゴニア温室にて展示しています。
緑霞(ミドリガスミ)
矢竹型木立性ベゴニアでは世界初となった黄花品種。株全体が花に覆われ、自然とこんもりとした姿に仕上がります。
紅彩(コウサイ)
花付きがよく、ピンク色の小花が株全体に広がります。丈夫で育てやすいです。
雷鳥(ライチョウ)
手のひらサイズの超小型ベゴニアで、小鉢で楽しめます。小柄ながら大きな赤い花を咲かせます。
レックス・ベゴニア
インドのアッサム地方原産の野生種、ベゴニア・レクスをもとにして作り出された品種群の総称です。葉がとても美しく、その形や色は変化に富んでいます。特に独特の金属的な光沢は他の植物にはない魅力があります。
ベゴニアの野生種
今日の球根ベゴニアのもととなった野生種をはじめ、葉の模様の変化に富むものなど世界各地のさまざまな野生種を収集・展示しています。華やかな園芸品種に目が向きがちですが、元々は全て野生種に由来し、野生種の保存は新たな品種改良にも繋がる重要な仕事です。