ウツボカズラとは
ウツボカズラは、熱帯アジアを中心に分布する食虫植物です。他の食虫植物と比べて大型で、葉の先端に大きな袋(瓶子体:ヘイシタイ)をつけるのが特徴です。
この袋の中には消化液が入っていて、中に落ちてきた虫を消化して養分を吸収します。
・分類/ウツボカズラ科、ウツボカズ属の植物。
・種類/野生種が約70種ある。交配種も多数ある。
・分布/ボルネオ島を中心に、東はオーストラリア北東部、西はインド周辺まで分布。
マダガスカル島にも少数が隔離分布する。
・捕虫方法/落とし穴式。蜜で誘って袋に落とし込む。

ウツボカズラの捕虫方法
ウツボカズラの捕虫袋は、葉から伸びたツルの先端につき、エリとフタがあります。
フタには蜜腺があり、蜜を出して虫をおびき寄せます。エリの部分は、表面が硬いロウ質の層で被われているため、つるつるしてよく滑ります。袋の中には消化液がたまっていて、落ちてきた虫をおぼれさせます。袋の内側もロウ質の層に被われているので、獲物は這い上がることはできません。
フタ
蓋の内側には蜜を出す蜜腺があって、この密で虫を誘います。アリが行列をつくって蜜を吸いに来ることもあります。
雨除けの役目も果たしています。
虫が入ると蓋が閉まるとの誤解もありますが、実際には一度開いた蓋は二度と閉じることはありません。
エリ
袋の襟の部分は丸くカールしていて、虫が足を滑らせやすい構造になっています。
また、ねずみ返しのような構造をしているので、一度落ちた虫は這いあがることができません。
袋の内壁
袋の内側を触ってみると、ツルツルしています。人間の感覚では、よくわかりませんが、ガラスよりもツルツルです。
ハエなども登ることはできません。
消化液
袋の中には消化液がたまっています。この消化液にはわずかに粘性があって、袋の中に落ちた虫は溺れてしまいます。

ウツボカズラの面白い話
~捕虫袋の2形性~
ある種のウツボカズラの捕虫袋は、地面に近い葉から出たものと、地面から遠い高い所の葉から出たものとでは違う形をしています。
多くの場合、茎の下位につく袋は、色が濃く、底の丸いずんぐりとした形をしており、茎の上位につく袋は、色が明るく、細長い漏斗型をしています。また、葉から袋につながる蔓(中肋)も、下位のものは太く短く折れやすいのに対し、上位では細長く強靭で、途中は巻きひげ状になって他のものに巻きつきます。
ミナミエンシス(N. minamiensis)の捕虫袋


ウツボカズラの仲間









(チェルソニー)


(ドリーミー・コト)


















食虫植物グッズ
売店では、食虫植物グッズを販売中です。