真冬の手入れ

寒さのなか、庭仕事も大変ですが、春に備えての大切な作業があります。この時期の手入れは春先からの生育に大きく関係してきます。



薬剤散布
※2月中の、芽が動く前なら高濃度の有機剤の散布が可能です。(石灰硫黄合剤、マシン油乳剤)
※春の彼岸頃から新しい芽が動き始めると、すぐにアブラムシなどの病害虫が発生します。初期のうちに、やや濃度の薄い農薬を散布します。
※4月になり、芽の伸長が始まると定期的な薬剤散布に入ります。新葉が柔らかいうちはやや濃度の薄い農薬を散布します。

灌水
※冬は意外と乾燥します、乾き具合を見てたっぷり与えます。新植した株や植替えした鉢は特に注意してください。
※凍結させないように、暖かい午前中に行います。

施肥
※元肥がまだ与えてない場合、早い時期に施肥してやります。
※株の回りを掘り、油粕、牛糞、鶏糞などの有機質肥料や、腐葉土、バ−ク堆肥などの土壌改良剤、ヨウリンなどを投入し、土と混ぜます。
※元肥が基本です、必ず与えてください。しっかり入っていれば、夏までは良い花が咲きます。
※3月中旬頃に状態を見て、芽出し肥を与えます。(化成肥料、液肥)
※新植株は1年目は樹を作ることが大切です、肥料を切らさないように与えます。
※鉢植えも3月中旬頃より、置き肥、液肥を定期的に与えます。
※開花1ケ月前位から、肥料が抜けたぐらいが良い花が咲きます。

剪定
バラは剪定することにより樹高を低く保ち、樹を若返らすことができます。剪定しないと細い枝になり、無駄な養分を消耗して、良い花は咲きません。必ず毎年2月に剪定を行い、必要な太い枝に養分を集中してやります。
※休眠中でも12月や1月に剪定すると、頂芽が動き初めて、霜や寒風で傷つきます。
※3月以降になると芽が動き始め、その後切ると貯蔵養分のロスになります。
※普通2月のうちに行います。
※春が寒い年や老木はやや早めに、暖かい年や生育の良い木はやや遅くします。
※剪定時期が早くても遅れても、春一番の開花には大きな差異ありません※不要な枝はあらかじめ予備剪定をしておきます。

剪定の方法
株全体を見て、枯れ枝、老化枝、病気枝を元から鋸で切り落とします。次に未熟枝、ふところ枝、混み合い枝を取り除き、全体をスッキリさせます。残した枝の充実した外芽の上5o位のところをやや角度をつけて切ります。春の開花から秋までの生育を頭に描き、大胆に行います。
※およその目安として、樹全体の2分の1〜3分の1を切り除きます。
※昨年発生したシュ−トは2段目の中ほどで切ります。
※2〜3年経過した枝は、2〜3段目の中ほどで切ります。
※樹の状態を見て剪定の強弱をつけます。
※フロリバンダ(FL?)種やミニアチュア(Min)種、鉢植え株はやや軽く切り、枝を多く残します。
※良い芽とは動いていない、丸く膨らんで充実している芽のことです。
※なるべく混まないよいように外芽で切ります。
※剪定後しばらくしても芽が動かない時や、新芽が欠けたり、痛んだときは修正剪定として、1段下まで切り戻します。

切り接ぎ

最近の品種は挿し木ではほとんど増殖できません。1月中旬〜2月末までに接ぎ木で苗をつくります。台木(ノイバラ)と必要な穂木を用意し、台木の形成層部分を垂直に割り、くさび型に調整した穂木を挿入し、堅く固定してやります。


※台木の生育をやや促進させ、穂木の生育をやや遅らせます。
※台木と穂木の形成層を合わせ、動かないように固定させます。
※ロウ付けして、乾かしたり、水など入れないようにします。
※乾燥させないように、すみやかに行います。
※良く切れる刃物を使用し、怪我に注意します。
※接ぎ木後は蜜封し、高温、多湿に管理します。
※活着後、新葉が展開し始めると、ゆっくり外気に慣れさせます。

新苗の植えつけ
2月頃接ぎ木された新苗が、温室で栽培され、4月頃からポット苗で販売されます。初心者にはあまりおすすめできませんが、スタ−トから経験できます。栽培には細心の注意が必要です。
※接ぎ口がしっかりしていて、枝葉に病気の付いていなもの。
※あまり徒長していないで、がっしりして、生き生きした苗。
※4月中旬から5月中旬頃に植えたものが、後の生育が良い。
※地植の場合、根鉢を崩さない。
※秋までは鉢栽培が安全で、根がまわれば鉢を大きめに替えてやります。
※用土の中に、肥料を混ぜないで、基本的には追肥で樹を作ります。
※開花させないで1年間は樹を作ることに専念します。
※初期のうちは雨や強風、強い光から保護してやります。

開花までの手入れ
春の彼岸を過ぎると、1日でぐんぐんと芽が伸長します。5月の一番花が楽しみです。開花前の手入れも力が入ります。
※病気や害虫は早期に予防しましよう。
※茎が伸長する時は、多くの水を必要とします。
※HTは副蕾を取り、一花とします。その他の系統は蕾全部開花させます。※ガクが下がり始めたら、薬剤散布は中止します。
※花首が曲がる場合は、添え支柱して矯正します。
※花弁数が多い品種は、雨よけしてやれば開花しやすくなります。
※株元の不要な芽は欠き取り、適正な枝数にする。

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