春 spring |
Q |
ウメの葉が縮んでしまって完全に開きません。何が原因でしょうか。また、どうしたらよいか教えてください。 目次 |
A |
ウメの葉が縮む原因は、アブラムシの一種の、スモモオマルアブラムシの害によるものがほとんどです。
この虫は、ウメの枝上で主に卵の状態で冬を越し、芽が開く時期に幼虫となって、新葉の裏側で汁を吸います。
そして6月頃、何度も繁殖を繰り返した後に、ウメから他の草に移動し繁殖を繰り返し、秋に再びウメに帰って卵を産み付けます。
従って、ウメの葉の被害は、発芽から6月頃までに発生し、それ以後に伸びた枝の葉は正常なものとなります。
いったん被害を受けた葉は、アブラムシを駆除しても縮んだままの状態で残ります。
また、落葉も早くて樹勢の弱る原因にもなるので、もっと早い時期に防除することが大切です。
それには必ず芽が開く前に1回、その後5月までに2〜3回、殺虫剤を散布する必要があります。
殺虫剤は、最も手に入りやすいマラソン乳剤やスミチオン乳剤の1,000倍液でも良く効きます。
なお、鉢植えの場合は、オルトラン粒剤などの粒状の殺虫剤を、発芽前から用土の上にばらまいておくとよいでしょう。 |
Q |
カランコエの鉢物を買いました。現在花が満開ですが、この後はどう管理すればいいでしょうか。 目次 |
A |
花を長持ちさせるため、日当りの良い室内に置きます。
寒さには弱いので凍らせると枯死しますが、あまり高温にしない方が良いでしょう(10℃くらい)。
水は乾いたら与える程度にし、過湿にならないよう注意しましょう。
肥料は10日に1回の割で、1000〜2000倍稀釈の液肥を与えます。
また、花の咲き終った花茎はこまめに切り取りましょう。
4〜5月、花が終ったら一回り大きい鉢に植え替えます。
根土を1/3くらい取り除き、植えつけます。その時、葉を3〜4対残して茎を切りつめておくとよく繁った株にすることができます。
霜の心配がなくなってから秋までは、戸外の日当りの良い所に置き、過湿にならないよう管理します。 |
Q |
サクラの枝に白い物がべったりとくっついています。その枝は何となく元気がありません。何かの病気でしょうか。 目次 |
A |
サクラなどに発生するこうやく病の一種ではないかと思われます。
この病気は、コウヤクタケ科という菌類の仲間が寄生したことによって起こる病気です。
灰白色のフェルト状の菌糸層がちょうど膏薬を塗り付けたように見えるのでこの名前が付いたといわれています。
ウメなどにも類似の症状が時々見られることもあります。
このまま放置しておくと感染部分が衰弱し、場合によっては枯死することもありますので、見つけたら早めに防除しましょう。
防除方法としては、感染部分をはぎ取るか、その部分に石灰硫黄合剤10倍液を塗ります。
また、発生の引き金になるのが、カイガラムシの分泌物で、これを栄養源としてこうやく病が増殖します。
そこで、この病気を未然に防止するには、カイガラムシの駆除が効果的です。
冬期に石灰硫黄合剤やマシン油を散布するか、6〜7月の幼虫発生期にスプラサイド乳剤を散布すると良いでしょう。 |
Q |
昨年の秋にツバキとサザンカを移植しましたが、サザンカがツバキに比べ元気がありません。どうしたらよいでしょうか。
目次 |
A |
ツバキは、根が横に張り細根が多いので、移植は比較的容易に行えます。
しかし、サザンカは、ゴボウ根で細根が少ないため移植すると必ず根が傷み、回復が遅くなります。
特に、植え付けて5年以上もたつと移植は難しくなります。
このように、サザンカは移植を嫌います。
湿度の高い5月下旬〜6月に移植を行い、夏の水やりをしっかり行い根を乾かさないようにします。
これからの手当てとして、6月に掘り上げて根を調べ、腐って黒くなった部分を切り落とし植え直します。
この際、蒸散を抑えるために、枝葉の全体の1/5ぐらいを切りつめます。
また、液体肥料(1000倍液程度)を2週間に1度の割合で葉面散布します。 |
Q |
年末にシクラメンを購入しましたが、春まで花を咲かせるためには、どうすればよいのでしょうか。 目次 |
A |
置き場所は、暖かい窓際などが最適です。
夜間冷え込む恐れのある時は、部屋の中ほどに移します。
それでも適温(5〜10℃)が保てない時は、タンボールなどの箱をかぶせるなどして保温します。
水やりは鉢土の表面が乾いたら、暖かい日の午前中に与えます。
球根頂部を湿らせると腐ってしまうことが多いので、鉢の縁から水やりします。
最近よく出回っている底面吸水の鉢では、下の受皿に絶えず1/3〜1/2ほど水を入れておきます。
開花中も、10日に1回の割合で、1000倍ぐらいに希釈した液肥を与え、花がらや枯葉はこまめに取り除きます。
その時にハサミなどで切ると、切り口から腐りやすいので、手で軽く持ってねじるようにしてひっぱると、簡単に取れます。
霜の心配がなくなるころから、徐々に外気に慣らしてやります。 |
Q |
シャクヤクの花がつきません。元気もあまりないようです。なぜでしょうか? 目次 |
A |
シャクヤクは、春に芽を伸ばし5〜6月に開花します。
この時期に植え付け、植え替え、株分けをおこなうと、はげしく衰弱し、その後数年間うまく育たず、花をつけません。
花がつくよう、株を元気にしましょう。
2、6、10月に緩効性の化成肥料(例:N−P−K=3−10−10)を1株に半握り程株元にまきます。
1、2年かかりますが、元気になり花がつくようになると思います。
また、シャクヤクは株分けをしてやらないと花つきが悪くなります。
9月中旬〜10月中旬頃が適期で、3〜4年毎に行います。
1株に2〜3芽つけて株を切り分けます。
つぼみはつくが枯れてしまう場合は、病害虫が考えられます。
湿度が高く、灰色かび病が発生したら、ベンレート水和剤1500倍液を散布し、風通しもよくしてやります。
白い粉をふりかけたようになるうどんこ病が発生したら、ベンレート水和剤2000倍液を散布します。
ネコブセンチュウは、小さなコブなら大きく切り取ってやれば助かる可能性もありますが、被害が進んでいる時は防除困難です。 |
Q |
シンビジウムに花芽が出来ません。どうしたら花芽がつくのでしょうか? 目次 |
A |
シンビジウムは、前年の秋から春にかけて伸びる新芽が、その年の夏までに10枚以上の葉を展開し、
秋(9〜10月)に基部のバルブ(偽球茎)が丸く大きく育っていれば、バルブの基部に花芽がつきます。
花芽がつきやすい品種、つきにくい品種など品種間の差があります。
花芽を確実につけるには、春に1バルブに大きな新芽を1芽残し、その他の新芽は根元からかき取ります。
秋口くらいまでに、同じバルブから再び新芽が何本か伸びてくることがあるので、これらも見つけ次第かき取ります。
残した新芽が夏までに十分大きくなるように、4月〜7月まで、液肥をたっぷり与えて十分な生長を促します。 |
Q |
チューリップやスイセンの花後の手入れを教えてください。 目次 |
A |
秋植え球根類にとって、日本の夏は高温多湿すぎ、植えたままにしておくと土中で腐ったり病気になったりするものがあります。
チューリップもそのひとつで、ウイルス病などにかかりやすく、同じ球根を使わないほうが無難です。
来年も植えたいときには花後も追肥を与え、葉が半分ほど黄色くなったら球根を掘りあげます。
そして1週間ほど日陰で乾燥させた後、枯れ葉や古皮を取り除き、涼しい場所で保存します。
このように毎年球根を掘りあげるものには、ヒアシンス、ラナンキュラスなどがあります。
スイセン、スノードロップ、クロッカス、アネモネなどは2、3年は植えたままでかまいません。 |
Q |
5年前にバラを植えましたが、丈が高くなって困っています。せん定の仕方を教えてください。 目次 |
A |
株立性のバラを長年放っておくと、丈が高くなり、下葉や下枝が老化したり枯死して、先の方に小さな花だけつけるようになります。これを防ぐには,毎年せん定して枝の更新を行う必要があります。
せん定の適期は、芽が活動し始める2月〜3月初旬です。
これより早いと伸びた芽が寒さで傷み、遅れるとむだに養分を使うことになります。
せん定にあたっては、まず病虫害にかかった枝、太さ5o以下の細枝、3年以上の老化枝などをもとから切り取ります。
次に、残した枝の丸く充実した芽の上5oくらいのところを斜めに切ります。
切る位置は、2年生以上の枝では前年の春に伸びた部分の中間あたりとし、せん定後の樹高は、せん定前の1/2〜1/3くらいを目安とします。
なお、春以降に伸びる枝が込まないよう、外側に向いた芽の上で切りましょう。
また、夏は花色が悪くなったり、樹勢が弱ったりします。8月下旬〜9月上旬にかるくせん定すれば、10月下旬頃から秋の良い花が楽しめます。 |
Q |
かなり暖かくなってきました。冬の間室内に取込んでおいた観葉植物などを外に出そうと思いますが、注意する点は。目次 |
A |
一言で言うと、急激な環境の変化をさせないことです。
午前中、気温が上がってから、明るい日陰に数時間程度出してやり、徐々に屋外に置く時間を長くしていくとよいでしょう。
低い日照下でも生きていける種類がほとんどですから、一部のものを除いて外の環境に馴らした後でも直射日光下に置くことは避けます。
春先は日中がよい陽気でも、夕方から急に気温が下がることが多いものです。
十分に暖かくなるまで当分の間、早めに室内に取込むようにします。
室内にあるときよりも早く乾燥する場合が多いと思いますが、基本は同じで鉢土の表面が白く乾いたら鉢底から水が抜けるまでたっぷりやります。
あまり風通しのよすぎる所では土は乾いていないのにしおれてしまうことがあります。肥料は樹勢が回復してからにします。
冬場、室内でダニなどの害虫が繁殖している場合があります。害虫がついているようなら、しっかりと防除してください。 |
Q |
植え替えが終わり、たくさんの古い用土ができました。何とかこの古い用土を再利用できないものでしょうか? |
A |
一度使った土は、古い根がたくさんあったり、土が固くなったり、また、病気や害虫の心配もあります。
しかし、この古い用土に少し手を加えれば、再利用できます。
手順としては、まず、ふるいにかけて根や石ころを取り除きます。
この時、大きな石があれば、鉢底に敷くゴロ石として取り分けます。
つぎに、消毒をします。一般家庭では、薬品による消毒はあまりお薦めできないので、その他の方法を紹介します。
@ 蒸し器などを用いて古い用土を蒸します。
このとき、表面が熱くなってから、約20〜30分程度蒸します。この方法は、簡単で確実に消毒ができます。
A 黒いビニール袋に古い用土を入れ、水を含ませて密封したものを、夏の直射日光に10日以上当てて蒸します。
この方法では、用土が60〜80℃に達し、ネマトーダ(センチュウ)などの害虫が駆除できます。
これらの方法で再生した用土を使用する場合でも、「消毒したから安心」といって単独で用いることは好ましくありません。
新しい用土に5割未満混ぜ込んで使うようにしましょう。 |
夏summer topへ |
Q |
ウメの剪定について、時期やコツを教えてください。 |
A |
ウメは日光があたる所に花芽がつきますから、枝に日陰をつくらないようにすることと、樹形を考えて剪定することがコツになります。
ウメの剪定の方法には2種類あります。
休眠期の12月から1月に行う方法と、花後(3〜4月)に行う方法です。
本来、ウメは落葉樹なので休眠期に行うのですが、冬の努定は花芽を切ってしまうことになります。
そこで、花をたくさん咲かせたいというときは、花後に努定してもかまいません。
どちらも、枯枝を切り、樹形を考えて不要枝を切ります。
また、長く伸びた枝を切りつめます。
5〜6個の葉芽(花芽より小さい)を残し、外芽(樹冠の外側に向いてついている芽)の上3cmのところで切ります。
春から夏にかけて短枝が伸び花芽がつきます(花芽形成は6〜7月)。ウメは短枝によく花芽をつけます。
短枝をたくさん出してやるのもウメの剪定のコツです。
夏に、徒長枝が伸びて枝間がつまっていたら枝を間引き、日あたりや通風をよくしてやります。 |
Q |
クジャクサボテンの花が咲きません。株は元気に育っているのですがなぜでしょうか? 目次 |
A |
花を咲かせるためには休眠が必要です。
ずっと生育しつづけると、花を咲かせなくなることがあります。
4月下旬から6月上旬に咲く季咲きなら、12月から3月上旬まで凍らない程度の低温(2〜5℃)に合わせ、水と肥料を徐々に減らして休眠させます。
最近登場した二季咲き(4月下旬〜6月上旬と11〜12月に開花)や冬咲き(1〜3月に開花)、早咲き(3月下旬〜4月に開花)などのように、冬に開花するものは、9月末から10月上旬にかけて水やりと施肥を中止して休眠させましょう。
休眠からめざめさせるには、週に1回位の水やりからはじめ徐々に回数を増やします。
季咲きの場合、3月から水やりを開始し、暖かい場所に鉢を移動します。
ただし、急激な温度変化や、30℃を越えるような高温に合うとつぼみができても枯れてしまうので注意しましょう。 |
Q |
クチナシの苗木を3月に庭に植え付けたところ、生育が悪く枯れてしまいそうです。どうしたらよいでしょう。 |
A |
クチナシは、静岡県以西に分布している比較的暖地性の常緑低木です。
このため、移植は地温が十分にある、4月下旬〜5月下旬と8月下旬〜9月中旬頃が適期です。
適期に移植するにしても、根の回りにしっかりと土をつけた状態で移植しないと、後々の生育が悪いようです。
苗木を購入する時も根鉢のしっかりした根巻物を選ぶようにします。
庭木を移植したい場合は、移植する半年か1年位前の地温が高い時期に、株の周囲にスコップを差し込んで根回しをし、細かい根を多く出させてから移植するのがコツです。
挿し木が活着しやすい樹は移植が難しいとよくいわれますが、その代表的な樹がジンチョウゲとこのクチナシです。
大きな古い株を移植するよりは、挿し木で若い株に更新するほうが早道かもしれません。
植え場所は、水はけの良い、良く肥えた土に浅植えにします。 |
Q |
クチナシを花後刈込んだら花が咲かなくなりました。なぜでしょうか。 目次 |
A |
クチナシは新梢の先端に花芽をつくります。
年間2回の新梢成長があり、2回(7月と9月)にわたって花芽を形成します。
花後すぐに刈込むと7月に形成された花芽が切り捨てられ、秋以降に刈込むと7月と9月両方の花芽が切り捨てられます。結局、クチナシは、花芽、蕾、花のいずれかが年中枝先にあるので刈込むことは花つきを悪くすることになります。ですから、あまり手を加えず半ば放任し、花後軽く整枝する程度にとどめます。 |
Q |
サツキの葉がだんだん白く脱色したようにカスリ状になるのは、どうしてでしょうか? 目次 |
A |
この被害は、春から秋にかけてよく見られますが、ひどくなると落葉します。
この原因は、ツツジグンバイムシの吸収害によるものです。
広くツツジ類に発生し、美観を損なうことが多いので、注意が必要です。
発生は、どこにでも普通に見られますが、特に高温で乾燥した時に多発するようです。
また、梅雨明け後からの被害がひどく、落葉すると花芽の形成が悪くなります。
被害にあうと葉組織が壊され葉の表から白斑カスリ状に現れ、葉裏は、錆びたように褐色に変色します。
更に、虫の出す黒くて丸い糞が付いて、黒褐色の汚い斑点ができます。
この害虫は成虫で越冬し、4月頃から葉上に見られるようになり、5月頃からは卵、幼虫、成虫が常に混在し、繁殖力が旺盛で、秋までに数回発生を繰り返します。
ツツジ類を栽培すれば、必ず発生すると考えた方がよく、日頃から予防に努めることが大切です。
その対策としては、風通しが悪いと発生が多くなるので、鉢間を広くしたり、枝透かしを行って通風を図ります。
虫の発生を認めたら、早目にスミチオンやオルトランなどの殺虫剤を散布して防除します。
その後発生の様子をみて何回か散布する必要があります。
長期間発生を抑えるためには、ダイジストンなどの粒剤を株元に施用する方法もあります。
また、時々葉水を行い、乾燥を防ぐと発生が少なくなります。 |
Q |
サルスベリの花つきが悪いのですが、なぜでしょうか。 目次 |
A |
原因としては、@剪定をせずに放任しておいた、Aウドンコ病の被害を受けた、などがあげられます。
@剪定
剪定をせずに放任すると、年々花つきが悪くなりますので、必ず剪定を行ってください。
サルスベリは、落葉している間は花芽がなく、細い枝を残しても小さな花しかつきませんので、この時期に強い剪定を行います。
樹形ができていれば、2年前の枝を目やすに切りもどすとよいでしょう。
Aウドンコ病
ウドンコ病は、葉にうどん粉をまぶしたようになるのですぐわかります。
この病原菌は、葉の組織内に吸器をさし込んで栄養を吸収し、葉を枯らしたり奇形にします。
防除法としては、梅雨期と秋口の、朝夕の涼しい時間に、10日おきに2、3回、サプロールまたはカラセンを散布します。 |
Q |
シバザクラを庭に植えて長年たちますが、花つきが悪くなってきました。どのようにすればよいでしょうか。 目次 |
A |
シバザクラは北アメリカ原産のハナシノブ科の常緑性多年草です。
4〜5月にかけて白、ピンク、藤色、赤などの小花をまるでじゅうたんのように多数咲かせます。
非常に丈夫で育てやすい花です。
しかし、高温多湿の場所や日当りの悪いところでは株が腐ったり花付きが悪くなりがちです。
また長年植えたままのものは肥料分が欠乏したり、株が老化し株元が枯れこんできます。
そのため3年に1回は株分けをし、植え直します。
株分けは花後または10月頃に行います。
まず古株を掘りあげ、新しい元気のよい部分だけをとり、日当り、排水のよい場所に植え付けます。
石垣やブロックの間に植え込むのもよいでしょう。
植え付け方は、2〜3本まとめて浅く寝かせ、15〜25p間隔とします。
また同じ時期に新芽の先を5〜6pとり、川砂などにさして苗を作ることもできます。
花後の管理は、雑草が生えて蒸れないように除草し、化成肥料を春と秋に施します。
また、秋に株全体に薄く土をかけて新芽からの発根を促すと、根張りが良くなり元気良く育ちます。 |
Q |
昨年植えたシャクヤクが、無事花をつけました。来年もよい花を咲かせたいのですが、どうしたらよいでしょうか。 目次 |
A |
シャクヤクは、冬には地上部が枯れてなくなり、翌年の春新しい芽が出てきます。
よい花をみるには、この芽を充実したものにしなければいけません。
そこで、花が終った後は疲れた株を回復させ、来年への充実を図るため、早めに花がらを摘み、追肥として、化成肥料を2〜3株に1にぎり程度の割合で株のまわりに与えてやります。
また梅雨時は、湿度が高くなるため、灰色カビ病などの発生が多くなりますから、ベンレート、オーソサイドなどの散布を行い予防します。
シャクヤクの株分けは、秋の彼岸前後に行いますが、株分けの必要がない程度の大きさであれば株のまわりを掘って、鶏糞や油カスに骨粉をまぜたものを施してやるとよいでしょう。 |
Q |
スイセンを庭植えにして長年楽しんできましたが、今年はあまり花が咲きませんでした。なぜでしょうか。 目次 |
A |
庭植えの場合、植え付けてから3年間ぐらいは、掘り上げずにおいたほうが球根がよく分球、肥大し、花数も多くなります。
しかし、長年植えっ放しだと芽数が増え、葉ばかり繁って花が咲かなくなります。
スイセンは3〜4月に開花後、菜はさらに生長し、養分を葉の基部に貯え、約6週間で新しい球根が完成します。
このため、花が終ったら花がらを摘み、お礼肥として、株元に化成肥料を2握りほど与えて球根の充実をはかります。
葉は、自然に黄色くなって枯れる6月中旬頃まで切りません。
枯れた後、球根に傷を付けないよう丁寧に掘り上げ、水で洗った後、ベンレート水和剤500〜1000倍液に1時間ほど漬けます。
さらに、風通しの良い場所に網で吊るして乾燥させ、秋の植え付け時期まで冷暗所に貯蔵します。
なお、ウイルス病にかかり、葉に縦に不規則なクリーム色の筋が出る株があれば、他の株に伝染させないよう、抜いて焼却します。 |
Q |
デンドロビュームの花の咲く位置から、葉芽がたくさん伸びてきて、花が咲きません。水と肥料は、春から秋まで十分やっています。 目次 |
A |
一般にデンドロビュームとして販売されているのは、ノビルという原種をもとに改良されており、比較的寒さに強く、丈夫で育てやすい品種です。
しかし、植え込み材料が腐って根腐れを起こしたり、日光が不足したり、秋から冬にかけて、水と肥料をやり過ぎると花芽ができなかったり、せっかくできても、生育の途中で葉芽に変わってしまいます。
デンドロビュームの根は空気を好むため、一般には素焼鉢にミズゴケで植えます。プラスチック鉢や化粧鉢に植えられたものを買った場合は、花の観賞後、必ず素焼鉢に植え替えてやります。
春、霜の心配がなくなれは、戸外の日当りのよい場所で管理します。
水は8月いっぱいは十分にやりますが、9月からは、ミズゴケの表面が乾いて2、3日後にやる程度とします。
肥料は5、6月に1回ずつ、油カスと骨粉を混ぜたものを茶さじ1杯ぐらい与え、秋以降には与えません。
晩秋、霜の降りる前に室内の日当りのよい場所へ入れて管理し、春までは、ミズゴケの表面が乾いてから、なお2、3日待って水をやります。 |
Q |
ハイビスカスの下葉が黄色くなり、落葉します。どのように育てればよいでしょうか。 目次 |
A |
下葉が黄変落葉するのは日照不足、かん水不足、肥料不足、根づまりのいずれかが原因です。
ハイビスカスは、日当たりを良くし、肥料ぎれを起こさぬよう、夏期の生育中は、月に1度油かすを与え、たっぷりとかん水することが大切です。
根の生長が旺盛なので植え替えは毎年行い、今までの鉢よりひと回り大きな鉢を用います。
病害虫としては、アブラムシ、ハマキムシ、シンクイムシがよくつきます。
スミチオン乳剤などでも効果はありますが、オルトラン粒剤やダイジストン粒剤を鉢土のうえに置けば1カ月間くらい殺虫効果があり、手間もはぶけます。 |
Q |
ヒイラギモクセイの生け垣の新葉が不規則に穴があいてたいへん見苦しくなっています。何かの虫の被害でしょうか。目次 |
A |
テントウノミハムシによる被害と考えられます。
名前が示すように成虫は体長約3o程度の一見テントウムシに似た甲虫で、春から初夏にかけてヒイラギ、ヒイラギモクセイ、キンモクセイ、ネズミモチなどの新葉を食害します。
幼虫は、新葉の表皮を残して葉肉中を食害します。
防除方法としては、食害を受けている葉にスミチオン乳剤、カルホス乳剤などを散布します。
また、予防的に新葉の出る時期に同様の殺虫剤を散布しておくとその年の被害が軽減されます。
この他、被害を受けている葉の中の幼虫を葉の上から押し潰すのも効果があります。
なお、この害虫たちは、新葉を食害するため、夏剪定の後の新葉をも食害することがあるので注意が必要です。
成虫は、冬に落ち葉などの下で越冬し翌春に新葉を食害するので、冬に落ち葉などを処分するのも発生を抑制するのに効果的です |
Q |
フクシア(ホクシャ)は夏に弱いと聞きますが、どうすれば夏越しできるでしょうか。 目次 |
A |
日本の夏を越させるには、できるだけ涼しく風通しの良い半日陰に置くことと、排水の良い用土で植え付け、鉢の中が過湿にならないよう注意して灌水することが大切です。
鉢も、プラスチック鉢より素焼鉢が適します。
肥料は夏の間は与えません。
また、苗木は暑さに強いので、5〜6月にさし木をして苗で夏を迎えれば、比較的容易に夏越しさせることができます。
夏を越した苗は、9月初旬から灌水と施肥を十分行えば、9月下旬から10月にかけて花を楽しむことができます。 |
Q |
モモを庭に植えているのですが、2、3年前から幹にヤニのようなものが付いています。病気でしょうか。 目次 |
A |
これは病気ではなく、コスカシバというガの幼虫が幹の中を食害しているため、樹幹から樹液が出ているのだと思われます。
コスカシバは年に1回発生し、幼虫が樹皮下で越冬するやっかいな害虫です。
被害が進むと木は年々衰弱し、ひどい場合は枯れてしまうこともあるので、早急に防除する必要があります。
防除方法は、ふ化直後の幼虫をねらって、6〜9月頃、樹幹にスミチオン乳剤の500倍液を3回ぐらい散布します。
また、ヤニの出ている穴に、スミチオン、ディプテレックス乳剤などの殺虫剤(10倍液)を注入し、穴の口を粘土やビニールなどでふさぎます。 |
Q |
栽培し始めて2〜3年になる「幸福の木」が、最近葉先が茶色くなり、葉全体が変色してきたのですが、どうすればよいのでしょうか。 目次 |
A |
園芸店で「幸福の木」という名前で売られているのはアフリカに分布する大型のドラセナです。
2年以上たった株であれば、おそらく鉢の中は根でいっぱいになっているはずです。
そのため鉢全体に水が十分しみこまず、水不足になります。
そうすると、葉先から少しずつ枯れ始め、葉全体が黄色がかってきて下葉から枯れ落ちてしまいます。
そこでこのようになった株は、5月頃一回り大きい鉢に植え変えてやります。
方法は株を鉢から抜き取り、表面をほぐしながら古い土を3分の1程落として根を切り詰め、水はけと水もちのよい用土で植えます。枯れた葉先は、ドラセナらしく先をとがらせて切り取ればよいでしょう。
作業後しばらくは、半日陰で管理し、灌水を控えめにします。 |
秋autumn 目次 |
Q |
キンモクセイの花が咲かないのはどうしてでしょうか。 |
A |
花が咲かない原因としては@まだ若木であるA肥料が豊富で徒長枝が多いB強い剪定を行った、などがあげられます。
@普通、園芸店などで売られている苗木は若く、3〜5年は咲きません。
A花芽は、4〜5月に伸長を止めた新梢の節や、前年枝の中でも花芽形成期(8月)に葉をつけている節に形成されます。
夏ごろまで伸びる徒長枝には形成されません。
B花芽形成期から開花時期、つまり8〜10月に強い剪定をすると、形成された花芽を切り落すことになりますから花は咲きません。また、萌芽して花芽形成するまでの間に剪定する場合、遅くなればなる程花つきが悪くなります.
そのほかに、日照不足で花つきが悪くなることがありますので気をつけましょう。 |
Q |
クロトンを購入して玄関に飾っていたところ、葉の色が悪くなり、やがて下のほうから葉を落とすようになりました。どのように対処すれば良いでしょうか。 目次 |
A |
クロトンは強い日差しを好む植物です。
葉の色が悪くなったのも、下葉が落ちたのも日光不足が原因です。
葉の色彩がとても美しい植物ですが、日当たりの悪い場所では、どうしても菓の色が悪くなってきます。
さらにそのままの状態が続きますと、下葉を落とすようになります。
クロトンは5〜9月の間は、外で直射日光に十分当てることで菜の色彩が美しくなります。
ですから、この期間中は室内ではなく、日当たりの良い戸外で管理して下さい。
ご質問のクロトンが、それほど下葉の落ちていない状態ならば、日当たりの良い場所に置いて管理します。
ただし、暗い玄関からいきなり強い日差しの戸外に出すと、葉焼けを起こす可能性があるので徐々に慣らしていきます。
下葉がかなり落ちて、腰高の状態になっているのであれば、さし木をして仕立て直します。
さし木は、新梢を10〜15pほどに切り、葉を4〜5枚つけた状態でさします。
5〜9月の間であれば可能ですが、冬越しの事を考えると梅雨明け前までに済ませたほうが無難です。
さし穂を取った残りの株は、下のほうで短く切りつめ、新しく芽が出てくるのを待ちます。 |
Q |
サギソウの花が終わりました。その後の管理を教えてください。 目次 |
A |
7月から8月にかけて花を咲かせ、楽しませてくれたサギソウも、秋になると茎葉は枯れて地上部がなくなり、地下には球根が残ります。
花が終わった後花がらを取り、液肥を1〜2回与え球根を充実させます。
地上部が枯れた後も乾かさないように水を与えましょう。
サギソウは湿地に生育する植物で、冬に休んでいる期間でも球根を乾かすと、干からびて枯れてしまいます。
寒さには比較的強く、地表面が少し凍っても心配ありません。
ミズゴケで植えられていることが多いのですが、そのままにして翌年も続けて栽培すると生育が悪くなります。
毎年、新しいミズゴケを使って植え替えるようにしましょう。植え替えは、早春、サクラの花が咲くころまでに行います。 |
Q |
サボテンの植え替えの時期と方法を教えてください。 目次 |
A |
鉢植えのサボテンは、用土が古くなると根づまりをおこしやすいので、年に1回は植え替えが必要です。
時期は3〜4月、もしくは9〜10月が適しています。
植え替えの方法は、まず株を鉢から抜いて古い用土をすべて落とし、根を5p程度に切りつめます。
そして、小さめの鉢を用意して、鉢穴を防虫網でふさぎ、ゴロ土を少し入れておきます。
用土は日向土(小粒)50%、赤玉土(小粒)40%、腐葉土10%にアグアンプなどの緩効性粒状肥料を少量混ぜたものとし、軽く湿らせてから植え付けます。
水やりはすぐに行わず、ティッシュペーパーか新聞紙を上からかけておき、植え替え1週間後に取り除いて、たっぷり水やりします。ダニやカイガラムシが発生しやすいので、月に1回、ダイシストン粒剤やオルトラン粒剤を鉢土に置いたり、カルホス乳剤800倍液をかん注すると良いでしょう。 |
Q |
シクラメンを、葉を残したままで夏越しさせました。これからの管理を教えてください。 |
A |
9月末までに植え替えます。
鉢は、素焼き鉢でもプラスティック鉢でもかまいませんが、同じ大きさか、一回り大きな新しいものを使います。
用土は、赤玉土、腐葉土、川砂をそれぞれ5:3:2の割合で混ぜたものが適当です。
この時、マグアンプKなどの緩効性化成肥料を用土1?当り約3g混ぜておきます。
古い根鉢の表面を1割ほど崩し取る程度にし、根はあまり切り詰めません。
植え付けは浅めにし、球根上部を地上に出します。
植え替え終了後はたっぷり灌水し、夏越しさせた場所で約2週間管理します。
その後、徐々に明るい場所に移し、10月初旬からは直射日光に当てて丈夫な株に育てましょう。
11月になったら、日当りの良い室内で管理します。
最低温度を10℃以上に保てれば、年内に花を見ることができます。
なお、植え替え後の灌水は、鉢土の表面が乾いてから十分に行います。
また、追肥は、約1000倍に薄めた液肥を10日に1回ぐらいの間隔で、灌水の代わりに与え、翌春、花が終わるまで続けます。 |
Q |
ゼラニウムを育てていますが、葉ばかり茂って花がつきません。どうしたら花を着けるようになるのでしょうか。 目次 |
A |
花が咲かない原因として考えられるのは、まず窒素分の与えすぎです。
窒素の多い油粕等を与えすぎると、茎や葉は立派になりますが、葉が濃緑色になり、花が咲かなくなります。
そういう場合は、窒素肥料を控えて骨粉等、リン酸分の多い肥料を与えます。
次に考えられるのは、日光不足です。
ゼラニウムは強い光を好む植物で日照が不足すると葉が淡緑色になったり黄色い葉が増えます。
こうなると、新しい花芽ができないので、花が咲かなくなります。
黄色くなった葉や、茂りすぎている部分の葉は摘み取り、できるだけ日当たりの良い場所に移して育てるようにします。
また、過湿にすると、根腐れがしたり、花着きが悪くなるので、雨が直接かかる場所は避け、水も表土が乾いてから与える程度にしましょう。 |
Q |
ツバキの葉の表面がすすがついたように真っ黒になってしまいました。どのような処置をすればよいのでしょうか。 目次 |
A |
それはすす病と思われます。
カビによる病気の一種ですが、他の病気と異なり、植物体に直接発生するものではありません。
オンシツコナジラミ、アブラムシやカイガラムシなどの害虫の排泄物にカビが繁殖して二次的に起こる病害です。
放っておくと、被害は次第に広がって葉全面がすすをかぶったようになり、観賞価値が著しく低下しますし、葉の汚れで光不足になり株そのものも弱ってきます。
すす病の治療には有機硫黄剤など(例:ダイセン他)の殺菌剤が有効ですが、これだけでは根本的な解決にはならず、すぐに再発します。
すなわち必ず原因となる害虫を駆除する必要があります。
オンシツコナジラミが寄生しているのであればスプラサイドなどを、アブラムシやカイガラムシであればオルトランやカルホスなどの殺虫剤を使用します。
また予防として、風通しと日当たりをよくし、込んだ枝を間引くことも大切です。 |
Q |
ドラセナ(幸福の木)を室内で育てていますが、大きくなり、下葉も枯れ上がってきました。よい再生方法があれば教えてください。 目次 |
A |
大きくなり過ぎると場所をとり、また下葉も枯れ上がってバランスが悪くなってしまいます。
このような場合は思いきって3分の1から4分の1くらいの高さに切り詰めます。
しばらくすると切り口近くから2〜3個の新芽が伸び、樹形を作り直すことができます。
また、切り取った部分は挿し木に利用できます。
例えば、先端部の葉をゆるく束ね、それ以下の下葉を取り除いて適当な長さに切り、水苔などに挿したものを日陰で乾燥しないように管理すれば、1〜2か月で発根するのでミニプランツとして楽しめます。
ただし、剪定や挿し木後の生育には適温が必要ですから9月上旬までに行なってください。 |
Q |
鉢植えのブーゲンビレアが、ツルばかりのびて花がよく咲きません。どのように管理すれば花がたくさん咲くでしょうか。 |
A |
ブーゲンビレアは熱帯地方や温室では、ツルを伸ばしながら、一年中花を咲かせます。
わが国のように、冬の寒さの厳しい地域では冬は室内に入れて管理をしてやります。
霜の心配のない春から秋までは、屋外に出して充分に日光に当て、肥料(油粕など)や水もどんどん与え、幹や枝を充実させます。10月ごろには冬の休眠にそなえて、肥料を止め、水やりも少しひかえめにします。
冬は鉢を乾燥ぎみ(週1回程度の水やり)に保ち、直接寒さの当らない日当りのよい玄関や窓辺に置いて管理します。
この時期には葉はほとんど落ち、枝だけになりますが、春になると新芽が伸び、その先にたくさんの花が着いてくれます。
花が終った直後にかるく枝先を剪定してやると、新しく出てきた新芽の先に花が咲きます。
また、9月下旬〜10月中旬にそれまで伸びた枝を1/2〜3/4程度切りつめてやり冬にそなえます。 |
Q |
植物公園で、ユリの花が美しく咲いているのを見て、育ててみたくなりました。今年、球根から育ててみたいのですが、何かポイントはありますか? 目次 |
A |
球根を植え付ける場合、いくつかポイントがありますので、以下にあげてみます。
@球根の選び方・管理の仕方 褐色の斑点などの病気や害虫の跡のないもので、固く締まり重いものを選びます。
また、乾燥させると傷むので、植え付けるまでは湿らせたバーミキュライトに埋め込んでおきます。
A植え付け 9月下旬から11月中句まで行えますが、10月が一番の適期です。また深さは球根の高さの2〜3倍になるよう植え込みます。
B肥料 元肥として1球根当たり化成肥料を大さじ1杯程度与えます。C植え替え 庭植えは環境がよければ、そのまま放っておいてもよく育ちますので、5年くらいは植え替えなくても大丈夫です。鉢植えは2、3年おきに新しい用土で植え替えます.。以上を参考にユリを植え付けて下さい。きっと来年はきれいな花を咲かせるでしょう。 |
冬
winter 目次 |
Q |
つぼみのたくさんついたシャコバサボテンを買ってきたのですが、つぼみが落ちてしまい、花が咲いてくれません。どうしてでしょうか。 目次 |
A |
シャコバサボテンはサボテンの仲間ですが、どちらかといえば草花と同じような管理をしてやります。
温暖な気候を好み、冬は最低5℃以上の温度が必要です。
冬に暖房した室内でつぼみが落ちやすいのは、急激な温度変化や空気の乾燥に原因があります。
ですから、つぼみが大きくなり始めたら、温度と同時に湿度にも気を配ってやり、霧吹きで水を与えたり、夜間にはビニール袋をかぶせてやります。
ただし、冬は生長休止期で根は活動していませんので鉢への水やりは土の表面が乾いたら与える程度にし肥料はやりません。 |
Q |
ハイビスカスの冬越しの方法を教えてください。 目次 |
A |
ハイビスカスは熱帯花木のため、寒さには弱く、冬期に最低温度が10℃以上保てるようであれば落葉することはありませんが、5℃ぐらいの温度が続くと落葉します。
ですから10月に入って生育が止まったら、室内に入れます。
夏の間に伸びた枝や場所をとって邪魔になる場合は、どの枝にもよく日光が当たるように切りつめます。
日当たりのよい窓際などに置き、夜間はできるだけ暖かい場所で管理します。
真冬には、ビニールをかぶせるなどして、最低温度を5〜7℃以上保つようにし、芽を凍らせないようにします。
水は、鉢の表面が乾いてから軽く与え、時々葉の表裏や幹に霧水をかけてやります。春まで肥料は与えません。
うまく冬越しできれば、春に植え替えをして再び美しい花を楽しみます。 |
Q |
ハエトリグサ(ハエジゴク)の冬越しはどのようにしたらよいでしょうか。 目次 |
A |
ハエトリグサは、北米原産の食虫植物で、比較的、寒さには強いほうです。
冬になると球根のような芽をつくり、寒さにそなえます。
冬越しの方法は、直接霜が当たったり、鉢が凍りついて、中の芽を傷めることのないように、日当りのよい軒下などで乾燥しないように管理します。
ただし、温室などに入れ温度を加えすぎると、その後の生育が思わしくなくなりますので注意が必要です。
植替えは、2月から3月にかけてがよく新しい水ゴケに植え付けます。
この時、水ゴケは中まで水がよく通るように縦にそろえるようにします。
灌水は腰水よりもジョロなどで上から与えるほうがよいでしょう。 |
Q |
去年買ったポインセチアを室内に置いていますが赤くなりません。どうしてでしょうか。 目次 |
A |
ポインセチアは、短日植物といって日長が短くなると花が着き、苞が赤くなります。
日長に対する植物の反応は敏感で、室内の電灯の光でも反応しますので、お宅の場合も室内が明るくて、日長が長いときと同じ結果になったものです。
植物に対する光の影響は、実際は、光の当たる長さではなく、光の当たらない暗い状態での長さが大切です。
したがって、短日植物では、夕方から朝まで暗黒の環境にすると早く花が咲きます。
このような処理をシェードといい、ポインセチアの場合、10月頃から行います。
もちろん、シェードを行わなくても夜電灯の当たらない場所に置けば12月下旬には開花し、赤い苞が見られます。 |
Q |
今春、ボタンの鉢植えを購入しました。根が張ってきたので露地植えにしたいのですが、どのようにすれば良いのでしょうか。 目次 |
A |
春に開花株を求められて、そのまま栽培されていたようですが、植付け適期は10月から11月で、この時期に鉢から露地におろせば良いでしょう。
土質は特に選びません。
地下水位の高い所や、排水不良の土地は過湿にならないように高うねにしてやります。
夏の午後の強い光は葉が傷むため、午前中半日くらい日光の当たる場所が最適です。
植え穴は50〜60pくらいに大きく掘り、堆肥、油粕、骨粉、過燐酸石灰等をいれて土とよく混ぜた後、その上に肥料のない土をかぶせ、太い根を折らないよう注意して植え付けます。
くれぐれも肥料が直接根に触れないよう注意して下さい。
接ぎ口が5p程度土中に埋まるようやや深く植えます。
シャクヤク台木では木の寿命が短いため、ボタンの自根を発生させるためです。
春先になり根付いたら液肥や化成肥料を与えます。
ボタンは肥料を好むので肥料切れしないようにして下さい。
植付け後はワラなどでマルチングを行い、乾燥と寒さから守りましょう。 |
Q |
スパティフィルムの開花株をこの夏買いました。来年も花を咲かせたいのですが、冬はどうやって管理すれば良いのでしょうか。 目次 |
A |
スパティフィルムは熱帯原産のサトイモ科の植物で、花を咲かせるためには最低でも15℃位の温度が必要です。
ただし冬越しだけであれば5〜8℃位で可能です。
気温が下がり花が咲かなくなってきたら、鉢は室内のできるだけ明るい場所へ置きましょう。
暖房器の近くは極端に乾燥するため、避けます。
水は葉が萎れない程度に控えめに与えます。
肥料は与えません。
春、気温が上昇し元気な葉が展開し始めてから、灌水を増やし、肥料を与えてください。
家庭にサンルーム等があり、十分な温度と日照を得られれば、冬でも開花します。
その場合はしっかり灌水し、月に1度、緩効性肥料を与えましょう。
なお、スパティフィルムの花びらの様に見える白い部分はほう苞といい、葉の変化したもので、本当の花は苞の前の棒状をした部分に密集しています。 |