熱帯スイレン

スイレンの栽培


 熱帯性スイレンの特性

 熱帯性という言葉からもわかるように、暖かい(暑い?)地方に生える植物です。寒さには弱く、越冬には水温、気温ともに15℃以上必要です。耐寒性スイレンに比べてやや大型のものが多いので、スイレン鉢ではかなり窮屈です。できれば水深40cm以上直径2m以上の水槽か池を用意します。また、1年を通して栽培するためには、暖房設備が必要です。
 ちなみに、当園では冬でも花を楽しめるよう、水温を27℃前後に設定しています。しかし、冬になると休眠する品種もあり、温度さえ高ければ、どの品種でも花を見られるわけではありません。
 最近では一般の園芸店にも流通していますから、春に購入して夏の間だけ楽しむという方法もあります。これなら暖房は必要ありません。

 熱帯性スイレンの年間管理

 定植・・・5月下旬ごろ
 ・準備するもの
   水深40cm以上、水面の直径2m以上の池
   7号(直径約21cm)以上の植木鉢
   肥沃な田土
   (田土がない場合は、赤玉土に油かすを混ぜたものや畑土でもよい)
 発芽した株を植木鉢に植え付け、池に沈める
 芽の位置が水面から20cmくらいになるように調整する
 直接植えつけてもよい
 株分けも生育の始まるこの時期がよい

 開花・・・6月下旬ごろ〜10月ごろ

 加温・・・10月末ごろ〜5月
 直植えしているものはあらかじめ鉢に上げておく
 10月末には温室内の水槽に取り込む
 水温・気温ともに15℃以上に保ち越冬させる
 春になって生育を開始し本葉(浮葉)が出たものを、5月下旬ごろ屋外に出す

 品種によっては球根で越冬するものもあり、このような品種は掘り上げてネットなどに入れ水槽に沈めておけば十分越冬します。また、品種によって耐寒温度も異なります。中には15℃以下で越冬可能なものもあります。ザンジバリエンシスやペンシルバニアなどが比較的耐寒性があるようです。

 施肥・・・生育期に
 随時、盆栽に使用するような油かすの固形肥料を、鉢の端の方へ埋め込む
 

 耐寒性スイレンの栽培

 植え込みのスペース・・・熱帯性スイレンほどのスペースは不要です
   姫スイレンなどの小型種ならば、直径30〜40cmのスイレン鉢で十分
   普通種でも、大きめ(40〜60cm)のスイレン鉢で十分です
 用土・・・熱帯性スイレンと同じものでかまいません
 肥料・・・熱帯スイレンよりやや少なめに
 植替え・・・鉢植なら2〜3年に1回、直植えなら3〜4年に1回、春に植え替え
 冬の管理・・・植えっぱなしでよいが、やや深水にし、根茎が凍らないように注意
    

 

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