大温室(ゆったりとした時間の中で、命の多様性に触れる)

広島市植物公園の大温室は、平成30年3月3日にリニューアルオープンしました。

 この大温室は、間口35m、奥行62m、高さ21mの総ガラス張りで、中四国最大級の規模です。完成が昭和50年、この年に植えられたココヤシ類は天井近くまで届いています。室内は、熱帯・亜熱帯の約700品種、5000本の植物を現地の状況を再現しながら、分類、形態、利用の面から各コーナーに分けて展示しています。新設した空中デッキはバリアフリーに対応しており、様々な角度から植物を観察いただけます。

大温室マップ(各コーナーをクリックすると詳細情報にリンクします)

各コーナーのご紹介

水辺のコーナー(Tropical Waterside)

 熱帯の海岸や河口といった水辺には、気根をもつタコノキ類やヒルギ類のようなマングローブや、サガリバナなどが生育しています。また、河口近くの湿地帯にはニッパヤシやヒメショウジョウヤシなどのヤシ類が生育しています。ここでは、熱帯植物の中でも特に水を好む様々な植物を見ることができます。

アダン サガリバナ 河口のヒルギ林 ヒメショウジョウヤシ

オーストラリアバオバブ(Australian Baobab)

 2017年10月に、西オーストラリアのカナナラから、約11,000kmの距離を経て、大規模改修後の大温室のシンボルツリーとして新しく導入しました。オーストラリアバオバブはオーストラリアの中でも西オーストラリア州のキンバリー地方にのみ自生しています。自生地では雨季(11月~3月)と乾季(4月~10月)があり、雨季には洪水により道路が浸かるほど雨が降ります。現地ではBoabまたはBoab treeと呼ばれ、親しまれているとともに、葉や果実などは、食用など様々な形で人々の生活に利用されています。

自生地でのバオバブ バオバブの葉 バオバブの花 バオバブの実

ジャングルコーナー(Tropical Forest)

 熱帯雨林・熱帯雲霧林は植物の宝庫であり、多種多様な植物が生育しています。 また、熱帯雨林は大量の酸素供給源にもなっています。しかし毎年、日本の約半分の面積が破壊されており、重大な環境問題の一つになっています。ここでは、熱帯・亜熱帯の森に生育するヘゴやガジュマルなどの樹木や、樹木の枝や幹に付着しているランやパイナップル科、サトイモ科などの着生植物を見ることができます。

ガジュマル ベンガルボダイジュ タビビトノキ カトレヤ

くだものと暮らしのコーナー(Tropical Fruits and Useful Plants for Our Lives)

 熱帯植物は様々な形で人々の暮らしに利用されています。ここでは、お菓子や嗜好品、調味料などの暮らしに役立っている植物を見ることができます。また、バナナやマンゴーなどの一般的によく知られているものから、バンレイシやパラミツなどのあまり馴染みのないものまで、熱帯の様々なくだものも植えられています。熱帯植物の中には幹に直接、花や実がつく(幹生花、幹生果)植物があるので、そこもご注目ください。

カカオ コーヒー パパイヤ ゴレンシ(スターフルーツ)

フラワーコーナー(Tropical Flowers)

 熱帯特有のカラフルで美しい花々を見ることができます。オオホウカンボクやヒスイカズラ、カリアンドラ、ムユウジュなどのマメ科やイペーの仲間、ブーゲンビレアやハイビスカス、プルメリアといった熱帯の有名な花などを見ることができます。また、植物公園ならではの花として、世界最大の花を咲かす植物として有名なショクダイオオコンニャクなどがあります。

桃色イペー オオホウカンボク ブーゲンビレア ヒスイカズラ

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